薄毛の症状の一つに、「薬剤性脱毛症」という物があります。
これは、薬の副作用が原因で起こる物であり、「成長期脱毛」と「休止期脱毛」に分けられます。
「成長期脱毛」の原因となる薬は、抗がん剤です。
抗がん剤には、細胞の分裂を阻害する働きがありますが、がん細胞だけを狙うことができません。
そのため、体内の他の細胞や毛母細胞に対しても同様の働きをしてしまい、それにより脱毛が発生するというわけです。
特に、毛母細胞は分裂が活発な細胞の一つであるため、抗がん剤の影響を受けやすいということもいえます。
また、抗がん剤による脱毛は眉毛やまつ毛にも生じますが、こういった箇所の毛は成長期の物が少ないので、あまり目立ちません。
一方、「休止期脱毛」は、薬によって休止期に入る頭髪の割合が増加したり、成長期が短縮されたりすることで薄毛になるという物です。
この「休止期脱毛」を生じさせる薬というのは意外と多く、「ワーファリン」「インターフェロン製剤」「イブプロフェン」などが挙げられます。
こういった薬は、投与から発症までが長いことが多いため、症状を引き起こしている薬を特定するのが困難です。
ただし、いずれの脱毛症においても、薬の投与が終われば症状は治まります。