幼少のころ親類一同が集まると半分以上が禿げていたのを思い出す。そんな光景を見て私は「男の人は禿げちゃうんだね、私は女だから大丈夫かしら」と何となしに思ったりした。
ある時、3歳下の弟が「お姉ちゃん、前ね、オジサンたちにハゲは遺伝だからお前も禿げるって言われたけど、僕もいつか禿げるのかな?」と言ってきたので、意地悪ごころで「絶対はげるよ、だって遺伝だもん」と返すと半べそをかいていた。さらに弟が私に対して「お姉ちゃん、女だからって禿げないのは、ずるい、僕も女がいい。」と言うので、ちょっとかわいそうになり「まぁ、男の人でも大人になるまでわからないよ」と慰めたのが懐かしい。
そんな私は今年で50歳になる。弟は47歳で、残念ながらすでに禿げている。ほんとうに遺伝は恐ろしい。
弟のことを見て遺伝に逆らえない現実を憐れんでいたのもつかの間、私の頭皮も最近すこしずつ露出するようになってきたのだ。近頃、更年期系の症状が出ていたので、その影響かな?なんて気にも留めなかったのだが、どうにも薄すぎる。病院で相談するとホルモンバランスが崩れているのが原因とのこと。お医者さん曰く、症状が安定してくるとある程度は元に戻ると聞いて安心した。
安心したのはいいが、さすがに薄くて気になっていたので、ヴィックを買いに行くことに。色々試してみると、これはこれで結構たのしかった。髪型というのはどうしても固定してしまうもの。でもヴィッグなら、その日の気分によって変えることもできるし、お洋服に合わせたりすることもできる。
けがの功名とはちょっと違うけど、薄毛になったことでいい発見を出来たと思う。そして幼少期の私に酷だが「女でも禿げることはある」と教えてあげたい・・・(笑)